金型と製品

左側が金型、右側が成形品の写真です。消費者のみなさんが手にするプラスチック製品上のシボ柄は、射出成形によって金型から転写されたものです。よって金型と製品では凹凸が反対になっています。工程を追う毎に山と谷の線が幾重にも絡み合い、複雑な凹凸から現れる陰影がシボの表情を豊かにしていく様子がわかります。

工程初期

シボの基本的な輪郭がわかりますが、まだ立体感に乏しく天然革からはほど遠い状態です。

工程初期1

工程初期2

工程中期

天然革にあるシワをより忠実に再現するための細かい柄が入っています。
工程初期より立体感も増し天然革に近くなってきました。

工程中期1

工程中期2

工程完了

さらに微細な柄と天然革特有の丸みが加わり、写真ではわかりにくいかもしれませんが毛穴も再現されています。技術と品質では世界一といわれる日本の革シボのできあがりです。「プラスチックで天然革を表現する作業」の完成、つまり「製品にいのちが吹き込まれた」瞬間です。

工程完了1

工程完了2

この革シボで深さ(金型断面で見て山頂から谷底までの距離)は約120ミクロン、つまり0.12ミリです。山頂から谷底までは一直線ではなく、天然革を表現するための段差(凹凸)は、繰り返される腐食工程の数だけあります。よって腐食1回あたりの加工する深さは、わずか5ミクロンから数十ミクロンとなります。コピー用紙1枚の厚さにも満たない深さを見極める技術者の目と腐食を制御するその技術は容易に得られるものではありません。

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