MOLD-TECH JAPAN

シボを新しい次元にリードする。

シボ加工とは

金属の表面に模様を付ける金属微細加工法のひとつです。主に薬品によって金属を溶解するため化学腐食(ケミカルエッチング)ともいいます。

布がまだなかった時代、動物の生皮を実用的にするために鞣す(なめす)技術が発達しました。もんだり絞ったりして皺(しわ)をつける作業を「シボ付け」といい、この模様を「シボ」と呼ぶことから由来しています。

プラスチック成形金型の場合、皮革模様に限らず木目・岩目・砂目・なし地・幾何学模様の腐食加工もすべて「シボ加工」といいます。英語の表現にはTexturing、Graining、Engravingなどがあります。

成形品の表面に模様を付ける技術にはいくつかありますが、おもに使われる電鋳・放電加工・精密鋳造と比べて以下の特徴があります。

  • ■ 機械加工ではできない複雑かつ微細な模様が容易に得られる
  • ■ 選択できる模様の自由度が高い
  • ■ 納期が短い
  • ■ 設計変更にともなう再加工や、打痕などの補修が可能である

意匠

シボの付いていないプラスチック製品は、ツルツルの無表情で随分安っぽく見えます。例えばコンピューターのモニターやキーボードを触ってもらうと、微妙なザラザラが付いているのが感じられると思います。ほんのわずかなザラザラではありますが、これがあるのとないのとでは人に与える印象に大きな違いがあります。
家電・OA製品には控えめな「なし地模様」、自動車・住設機器等には積極的に見せるためのシボである「皮革模様」「幾何学模様」「岩目」「木目」などが多く使われます。

機能

プラスチック製品の表面は意外と柔らかく、傷つきやすいものです。シボがあると傷が付きにくいもしくはキズが付いても目立ちにくくなります。またシボのないツルツルの表面では滑りやすかったプラスチック製品が、シボ加工によってしっかりと持ちやすくなります。シボの凹凸がそのまま抵抗として働き、滑り防止になるからです。
射出成形品の生産現場では、成形時のウェルドライン・ヒケを低減させ、また離型を助けます。品質・納期・コストを含めた生産性の向上に役立っています。

環境

シボ加工を施すことにより成形品表面に塗装を必要としない製品ができます。塗装をしなければ塗料に含まれる有機溶剤なども使わなくて済みます。シボ加工は環境にやさしい製品を作ることにも貢献しているのです。

プリント 1版目

プリント 2版目

プリント 3版目

金型と製品

左側が金型、右側が成形品の写真です。消費者のみなさんが手にするプラスチック製品上のシボ柄は、射出成形によって金型から転写されたものです。よって金型と製品では凹凸が反対になっています。工程を追う毎に山と谷の線が幾重にも絡み合い、複雑な起伏からあらわれる陰影がシボの表情を豊かにしていく様子がわかります。

この革シボで深さ(金型断面で見て山頂から谷底までの距離)は約120ミクロン、つまり0.12ミリです。山頂から谷底までは一直線ではなく、天然革を表現するための段差(凹凸)は、繰り返される腐食工程の数だけあります。よって腐食1回あたりの加工する深さは、わずか5ミクロンから数十ミクロンとなります。コピー用紙1枚の厚さにも満たない深さを見極める技術者の目と腐食を制御するその技術は容易に得られるものではありません。

工程初期

シボの基本的な輪郭がわかりますが、まだ立体感に乏しく天然革からはほど遠い状態です。

金型 1版目

成形品 1版目

工程中期

天然革にあるシワをより忠実に再現するための細かい柄が入っています。工程初期より立体感も増し天然革のような丸みが増してきました。

金型 2版目

成形品 2版目

工程完了

微細なシワと毛穴が見えてきました。天然革特有の丸みが加わり、技術と品質では世界一といわれる日本の革シボのできあがりです。「プラスチックで天然革を表現する作業」の完成、つまり「製品にいのちが吹き込まれた」瞬間です。

金型 3版目

成形品 3版目

加工例

自動車部品

住宅設備

電子・家電部品

トップへ